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釉薬の色彩表現

Enamels

七宝焼の色彩となる釉薬は金属を添加し、色を付けたガラスの粉です。 七宝釉薬は陶芸釉薬とは違い、原料を一度ガラス化させて細かく砕いたものを焼き付けるため、澄んだ美しい表現が可能となるのです。ガラス釉薬は色彩表現の幅が広く、澄み渡るような表現から乳白色まで表現できる他、幾重にも重ねて焼き付けるため、奥行きのある表現もできるのです。

釉薬の,色彩表現のイメージ

釉薬の色彩

七宝釉薬には種類があり、性質によって作品の雰囲気は大きく変わります。たとえ同じ形、同じデザインで赤色を焼き付けたとしても、釉薬が違えば表現はガラリと変わります。ここでは七宝釉薬にどんな違いがあるかを紹介します。

透け(透明)

透け(透明)

ガラスの透明感を
生かした色彩

透明な釉薬はガラスの特性を生かした澄んだ色味が特長です。素地が透けて見えるため、素地の上に不透明の白などの釉薬を焼き付けたものに施釉すると釉薬の澄んだ色がはっきりと出て綺麗な表現になります。また、素地の色を活かすために用いられることも多く、「彩釉」という金属に打ち出した模様の上に施釉する技法などでも使われます。

玉(半透明)

(半透明)

透明度が高い、
パステル系の淡い色彩

綺麗に磨かれた宝石や真珠の「玉」の色彩感覚を七宝で表現しようと生まれた表現です。不透明釉と透明釉の両方の特色を併せ持っており、素地を白の釉薬でコートすることにより半透明の効果でツヤツヤとした光沢感があるのが特長です。
パステルのような淡い色味のものが多く、柔らかい雰囲気や気品のある表現に向いています。

乳色(不透明)

乳色(不透明)

色味がはっきりとでる、
鮮やかな色彩

不透明な釉薬は素地の色が出ないため、釉薬そのものの色味を活かした表現になります。重厚感のある色彩表現が特長で、落ち着いた雰囲気の作品に用いられることが多くあります。明治以前の七宝は光沢のない泥七宝で、不透明の釉薬が主体でした。
不透明釉は釉薬が固いため扱いが難しく、施釉や研磨の際に高い技術が要求されます。

七宝焼の釉薬について

七宝焼の釉薬は色のついたガラスの粉です。種類として大きく分けて尾張七宝で使用される本七宝釉薬と広範囲に使用されるメタル釉薬に分かれます。製法としては原材料の鉱物(硝石、硅石、鉛丹)に顔料となる酸化金属を混ぜたもの1300度の炉で溶解し、水に入れてフリット状にし、できたフリット(粒状)を乳鉢などで粉状にします。