製作工程
七宝焼には、有線七宝を基本に、無線・盛上・透胎・省胎・彩釉(鎚起)・エマイユ・銀彩など数多くの技法があります。
そして、使用する釉薬も、透明(透け:すけ)・半透明(玉:ぎょく)・不透明(乳色:にゅうしょく)に分けられます。
七宝は各工程全てが専門の職人による分業となっています。
それは、どの工程も大変高度な技が要求されているからに他なりません。
経済産業省指定 伝統工芸品「尾張七宝」製作工程
1

図案の作成
Design
七宝焼の素材の特徴を活かすことを考慮しデザインを作成。
2

素地の作成
Base Making
純銅版を焼きなまして徐々に絞り込み、成形する。
3

下絵付け
Sketching
素地の球面に墨で文様を線描きする。
4

銀線付け(植線)
Silver Wiring
素地のアールと下絵の曲線を汲み取とって銀線にカーブを作り、素地表面に垂直に接着する。
5

銀線ロウ付
Soldering
銀線付けが完了した製品にロウ釉薬を薄く振りかけ、線を焼き付ける。
6

釉薬差し
Enameling
デザインに基づいて調合された釉薬で全体を均一に彩色する。
3~4回繰り返す
7

焼成
Fusing
800度の窯(炉)で製品全体を均一に焼き上げる。仕上げ焼きでは焼成途中で製品の上下を逆にする。
8

研磨
Grinding & Polishing
表面を滑らかにして光沢を出し、植線をはっきり出すため、最終仕上げには畳表を使ったりする。
9

覆輪付け
Trimming with Metal Band
上下の釉薬止めの部分を飾り金具で覆う。これを覆輪といい、材料に銀や真鍮を使用する。
10

完成
Finished Work
数多くの工程を経てついに完成です。